役員を務めている翻訳者育成団体而立会で、春の総会がおこなわれました。
あわせて初めての試みとして会員発表大会も催され、ワタクシめもテーマ講演として30分の枠をいただきました。
去年からずっと発音指導のことばかり考えていたので、依頼を受けても翻訳のほうに頭が切り替わらず、しばらくうーん、うーん、と苦しんでいたのです。
そしてひねり出したテーマが
「よかれと思って逆効果――原文への敬意を忘れる要因」
です。
なにをどうする行為が理想の翻訳と言われているのか、
中国語と日本語との翻訳で避けて通れない翻訳テクニックにはこんな歴史がありますよ、
でもそれに甘えたり溺れたりすると手痛い過ちを犯しますよー、
……なんてことを、自分のこれまでの悪訳を例に出したりして、話してみました。
テーマ講演はもうひとかた、プロ翻訳者さんが
フリーランス翻訳者になるためのロードマップや業界情報、
今後のフリーランス翻訳者が見につけるべき考え方、
などをお話しになりました。
今は学習オンリーのかたも、翻訳の仕事をしてみたい!という意欲がわいてきたそうです。
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而立会はまだ学習者が多い団体ですので、仕事として納品できる翻訳を仕上げられるようなトレーニングを、どうにかして作りたいのです。
わたしがテキストを書く!?という気もあったような覚えがありますが、まったく手が回りません。
Marieさん(+岡本悠馬さん)の『露の世に』とか、三潴正道先生の『『人民日報』で学ぶ「論説体中国語」翻訳スキルⅠ』、それと武吉次朗先生の『翻訳必携』を紹介して自分で読んでもらうのがいいんじゃないかという気もしてきた。