私が役員をしている而立会(翻訳者育成団体)で、私は研修事業に携わっています。
中国語検定3級や2級をクリアして読解力を身につけた段階で訳出をすると、得てして受験英語のような構文解釈や中文和訳になることがあります。
文法読解による逐語訳ではなく翻訳をできるようにする、そのための研修がまず必要です。
そして、その先、どうやって専門分野を身に付けていったらいいか、ということ。
さらにそのために、どうやって支援したらいいのか、ということを、みんなで思案中です。
而立会が誕生してほぼ15年。当時は、中国語業界には兼業の人が多いと感じていました。実際、人材も仕事も少なかったようです。
歴史専攻出身の私は、実務翻訳に役立つようなさしたる専門知識もなく、調査能力だけでどうにか乗り切っていたような時期です。
会社員で社内翻訳をやっている人は、その企業の分野で実績を積み、それをご自身の得意分野にしておられたので、羨ましいなと思ったりもしました。
15年前の翻訳者育成事業に求められていたのは、翻訳の世界の入り口に立つひよこ翻訳者を増やして、翻訳者の裾野を広げることでした。
現在では中国と取引のある企業は格段に増え、翻訳市場も拡大し成熟しました。
翻訳者の裾野も広がりました。
誰に言われるでもなく自分で専門分野を開拓している人を見ると、育成団体はそこまで期待されてないかなー、なんていう気持ちも出てきたり。
うーん。
実務翻訳、産業翻訳を仕事やキャリアの面から紹介して、その面白さを伝える場も必要だと思います。
どんな分野の需要があって、どんな勉強をしたらいいのか、を伝える場も必要。
「実務翻訳者になりたいけれど、どうしたらいいのか分からない」「専門分野を身に付けたいけれど、どうしたらいいのか分からない」という漠然とした悩みを持っているプロ志向の学習者さんの声にも答えたいし……。
オンライン翻訳学校 レバレッジ特許翻訳
「最短で『稼げるプロ』になるための無駄のない一貫システム」で特許翻訳者を育てておられます。
こういう ↑ ピンポイントで密度の濃い育成システム、すごいです。
もちろん、受講者のやる気と根気が必要ですが、それを維持して牽引してあげるだけのカリスマ性をお持ちです。
「ひよこ翻訳者」の育成と同時に、その先を見据えた有意義な事業を、作れたらいいなあ、と思っています。