中国人同士が初めて出会う、という場面に居合わせたことが何度かあります。
中国語のあいさつ文を収集するよい機会。
初対面の人同士が交わす社交的なあいさつに耳を傾けてみました。
中華料理の円卓を囲みながら。
互いにいろいろな話題を振り合って、褒めたり共感したり共通点を見つけたり、というのはいずこも同じですね。
そこで気づいたこと。
例えば、旅行の話題。
どこか遠くの地名が話に上ると、誰かが誰かに話しかけます。
雲南旅行の場合:「你去过云南吧?」
海外経験の場合:「你去过很多海外国家吧?」
こんな時、日本語会話だったら
「雲南に行ったことがありますか?」
「どこか外国に行ったことがありますか?」
「どこの国に行ったことがありますか?」
という風に、YesかNoで答えられる質問、または具体名を挙げて答える質問をしていると思うんです。
先の中国語での質問は
「雲南に行ったことがおありでしょう?」
「外国にたくさん行かれているでしょう?」
と問いかけているんです。
つまり相手が経験豊富な人物であるという前提で質問していますよ、という話し手のスタンスが表れています。
要するに「自分は相手に一目おいていますよ」という態度を言葉の使い方でアピールしているわけです。
一種の敬語表現ですね。
だいたい声の調子や語調もていねいです。
中国語っていうものは単刀直入で、敬語もない、なんて誤解されがちですが、なにも難しい語彙を使わなくても、簡単な語彙の選び方で、謙譲の気持ちや敬意を表すことができるようですね。