日本人発音講師による中国語発音矯正専門教室

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りんず中国語ラボのレッスンは「中上級者のための日本人講師による中国語発音矯正レッスン」です。安定した発音が定着し、身につけた発音が退行しないトレーニング方法をお伝えします。中国語の発音を矯正したい方、キレイな発音に憧れている方はりんず中国語ラボへ。

  1. 中国語の発音のはなし

【ü】“继续努力学习”がとてもよいトレーニングである件〜ウムラウトuの発音

中国語の発音と発音矯正

ウムラウト付きのu、すなわち「ü」の発音に苦労している人は多いと思います。

そんな方には“继续努力学习”(引き続き勉強をがんばる)がいちばんのトレーニングです。
はい、トレーニングを引き続き頑張ってくださいねー、……というのはもちろん冗談で、

继续努力学习 jìxù nǔlì xuéxí

このフレーズは「i」と「ü」が繰り返し登場します。
そしてその2つから舌の位置がもっとも離れる「u」が登場します。
舌の位置だけでなく唇の形の切り替えも必要なので、母音のギアを確実にするために、とってもよいトレーニングになるフレーズなんです。

母音は、舌の構えと唇の構えの組み合わせで音が決まります。
必要な構えを知ってさえいれば、練習次第で迷いなく発音することができますよ。

この記事について:
レッスンでは実際に音を出しながら説明することを、文字だけで説明してみました。
音を聞いたら理解しやすい人、図をみたら理解しやすい人もいますが、文字を読んだら理解しやすいというタイプの人もいらっしゃいます。
そういうタイプの人には、お役立ていただけるのではないかなと思います。


細かく見ていきましょう。

もくじ
(1) 「i」と「ü」の違い 〜 “继续”
(2)「ü」から「u」への移行 〜 “续”→“努”
(3)「u」と「i」の違い 〜 “努力”
(4)「i」から「üe」への移行 〜 “力”→“学”
(5)「üe」から「i」への移行 〜 “学习”


(1) 「i」と「ü」の違い 〜 “继续”

继续 jìxù

この単語は、母音「i」の音節のあとに母音「ü」の音節が続いています。
母音「i」と母音「ü」は舌の構えがまったく同じで唇の形だけが違うペアです。

舌の位置は:
・舌先を下の前歯の裏に押し付ける
・舌先に続く舌の腹の部分を、上の前歯の裏から歯茎に沿うように接近させる
前歯は:
・上下の前歯はほぼ閉じ合わせる
唇は:
・母音「i」の唇は、口角を広く横に引き、上下の唇を前歯が見えるように開く
・母音「ü」の唇は、口角を広く横に引き、上下の唇を中央部以外は互いに強く閉じ合わせる(上唇が下がる割合のほうが大きい。中央部で声の出口となる円はごく小さい。前歯はまったく見えない)

ですので、「jì」と「xù」との違いは、
・子音に破擦音(上のパーツと下のパーツが触れ合う)か摩擦音(上のパーツと舌のパーツが触れ合わない)かの違いがある
・唇に上下の唇を合わせないか合わせるかの違いがある
の2点ということになります(しかも声調も同じ)。

「继续 jìxù」は、唇の形を「i」と「ü」とでくっきりと切り替えることで、母音の違いを出しましょう。

【ポイント】
「xu」というローマ字に気をとられると、日本語五十音の「ゆ」になってしまうことがあります。舌は最後まで前にせり出しておいて、どちらかといえば「ゆ」ではなく「い」のイメージの音が残るのがベストです。

 

(2)「ü」から「u」への移行 〜 “续”→“努”

继续 jìxù → 努力 nǔlì

母音「i」の音節のあとに母音「u」の音節が続いています。
母音「i」の構えは、舌が前に迫り出すのでした(上記(1)参照)。
母音「u」は、舌先がかなり後ろにひっこむ構えの母音となります。

母音「u」の舌の位置は:
・舌先を、口の中の床を這うように後退させてみましょう。これ以上は引っ込められない、というところまで引っ込めます。
・すると、舌先が後ろに引っ込んだせいで、舌の腹から奥の方がたわんで盛り上がります。盛り上がったところは、軟口蓋(上アゴの天井の奥の柔らかいところ)に接近しています。
・舌先は宙に浮かせず、下の歯茎から続く舌の根の柔らかいところに触れている感触を感じます。

母音「u」の唇は:
・口角を強く中央に寄せ、中央部で声の出口となる円をごく小さくする。
(上唇が下がる割合のほうが大きい。前歯はまったく見えない)
・両頬も口角とともに中央に寄るので、口の中の左右の幅が細くなる。

ですので、「xù」から「nǔ」への移行は、
・「xù」で母音「ü」の構え。そこから、、、

・「u」の発音の準備のために口角を中央に寄せ、両頬の間を細くする
・舌先が下の前歯の裏から離れて奥に引っ込み始めると共に、舌の奥が盛り上がる
・子音「n」の発音のために舌先で上の前歯の歯茎に触れに行く
・子音「n」の発音のために鼻音(ハミングのような音)を出す
・子音「n」の発音のために舌先が上の前歯の歯茎を離れる
・離れた舌先は瞬時に奥に引っ込ませ、母音「u」を発音する
という手順をたどります。

【ポイント】
・口角は最も横に広い状態から、最も狭い状態へ
・舌は最も前に迫り出した状態から、もっとも奥が盛り上がった状態へ
とかなり移動距離の大きい変化です。「ü」も「u」も唇にかなり力の入っている母音ですので、瞬時に切り替えのできるよう、筋肉の瞬発力を育てたいですね。

 

(3)「u」と「i」の違い 〜 “努力”

努力 nǔlì

母音「u」の舌は、最も奥が盛り上がった構え(上記(2)参照)で、
母音「i」の舌は、最も前に迫り出した構え(上記(1)参照)です。

母音「u」の唇は、最も中央に寄せた幅の狭い構え(上記(2)参照)で、
母音「i」の唇は、最も口角を引いた横に広い構え(上記(1)参照)です。

ですので、「nǔ」から「lì」への移行は、
・口角は最も狭い状態から、最も横に広い状態へ
・舌はもっとも奥が盛り上がった状態から、最も前に迫り出した状態へ
そして
・上下の唇の間隔は前歯を完全に隠す状態から、前歯がはっきり見える状態へ
と切り替わります。

【ポイント】
全てのパーツの移動距離がかなり大きい切り替えになります。
だからと言って、短めに発音を終わらせることなく、「nǔ」をしっかりのばしてから、瞬時に「lì」に切り替えられるといいですね。

 

(4)「i」から「üe」への移行 〜 “力”→“学”

努力 nǔlì → 学习 xuéxí

母音「i」と母音「üe」の最初の「ü」の構えは、舌の位置が同じです。

ですから、「lì」から「ü」への移行は
・前にせり出している舌の位置はそのまま、上下の唇を強く結び合わせ、中央の円をごく小さくする
という操作をします。

【ポイント】
母音「i」から母音「ü」に移るとき、うっかり日本語五十音の「ゆ」のように舌を引っ込めてしまいがちです。ずっとせり出しておいて、唇だけ切り替える、という意識を持ちましょう。

(5)「üe」から「i」への移行 〜 “学习”

学习 xuéxí

複合母音「üe」は「ü」の状態から、上下の唇が強く結び合わされていた力をゆるめます。それにしたがって口角を脱力して上アゴと下アゴもやや離します。

それから「xí」に移行するには、再度、(1)の母音「i」の構えにして、子音「x」の摩擦音をだしてから母音「i」の声を出します。

ですので、「xué」から「xí」への移行は、
・舌は最も前にせり出した状態から、いったん脱力して、再度、前にせり出す
・唇は上下に強く結び合わせていた状態から、いったん脱力し、次に、上下の前歯がよく見えるように平らに開ける
という操作をします。

【ポイント】
いったん脱力しても、再度、舌を最も前にせり出した状態に戻すということがキモです。


以上です!

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