先日、「卒業できる発音レッスン」という記事を書いて、いい感じに発音学習または語学学習を続けている人の特徴を考えてみました。
それを読んでくださった方から、「いまの自分にはモチベーションが欠けています」というメッセージをいただきました。
やる気のある人たちの話を読んでシュンとなってしまうのではなく、こうしてメッセージをいただけてよかったと思っています。
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モチベーションや目的意識といっても、中国語を教える人になろうとか、通訳で生計を立ててやろうとか、そういうことでなくてもいいと思うんですよ。
いまのわたしの受講生さんには、会話には全く興味がないが、推しの芸能人がとても発音がきれいなので、その発言の意味が分かるようになりたい。そして「ああ発音がきれいだなあ」と心底から味わいたい。そういう方がいます。
それに、ラテン語や漢文を学んでいる人たちは、その言語を使って話す機会っていうのは、まあないですよね。
でも、学ぶこと自体が楽しい、それがモチベーションになっていいと思うんです。
言語はツールでもありますが、言語だからといって必ずなにかのツールとして使わなければならないと決まっているわけでもありません。
編み物が楽しいように、ボトルシップの制作が楽しいように、
音読が楽しいから続ける、それだって目的にしていいと思うのです。
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自分にはモチベーションが欠けている、と感じている方。
今はそうなのかもしれません。
でも、これからのことは違います。
どんな道を選ぶのも自由です。
あなたが中国語を始めたきっかけはなんだったでしょうか。
どうしてお金を出してまで中国語を始めたのか。
お金はかけていないよ、という方でも、無料ツールを研究して駆使したり単語を覚えたり、その時間を拠出しようというそのエネルギーは、何がきっかけだったのでしょうか。
始めよう、という気持ちになったのは、それまでのあなたの人生の中になんらかの種があったからではないでしょうか。
なにかとても小さな種であっても、それがあなたにとって、大切な大切な心の芯だったのかもしれません。
その心の奥の、ちいさな炎のゆらめきを、ぜひこれからも大切にしてあげてほしいと思います。
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学習がつらく、つまらなく感じる時期もあるかもしれません。
それでも、あなたのきっかけとなった小さな炎が心の芯に灯っている限り、いつか必ず、またおもしろくなります。
そして、もしも炎が消えて、べつな種から育った炎が燃えているようだったら、そちらの炎を育ててあげましょう。
どの炎だって、あなたの大切な炎です。