発音矯正とは?
発音矯正とはなにか。
それは、よい発音で中国語をあやつりたいのにうまくいかない、そういう学習者さんのためのレッスンメニューです。
発音矯正を卒業するとは?
どうなったら発音矯正レッスンは卒業できるのか?
それは目標の発音レベルを獲得し、ラクに発音できるようになることです。
発音スキルの4ステップ
じゃあ発音矯正の目標レベルとはなにか?
わたしは、発音のレベルを判定するのに次の4つの段階を設定しています。
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- 通じないレベル
- 通じるけれど聞き手の努力が必要なレベル
- 聞き取りやすいレベル
- 美しい発音
通じさえすればいいのだ、という場合なら「ⅱ通じるけれど聞き手の努力が必要なレベル」を目指すことになります。
が、これはピンインの読みや声調に誤りがあるレベルなので、聞き手が協力的に聞いてくれる必要があります。
聞き手にストレスを強いる発音でもあるわけです。
「ⅲ聞き取りやすいレベル」はピンインの読み方がわかっていて声調も間違いなく発音することができるレベルです。
習熟度によって、母語干渉のレベルや自然さ、速度などにレベルのばらつきはあります。
「聞き取りやすい」「かなり聞き取りやすい」「とても聞き取りやすい」という具合です。
トレーニングのゴール設定
わたしのレッスンに来てくださった場合は、受講生さんが中国語を使ってやりたいことはなんなのかをヒヤリングし、目指すレベルが「通じる」なのか「聞き取りやすい」なのか「美しい」なのか確認します。
発音矯正は、こうした発音レベルのうち、自分の用途に応じて必要なレベルを目指す、ということになります。
独学でトレーニングをなさる方も、このゴール設定が必要だと思うのです。
なにからどう手をつけたらいいのか……。
どこまで上達したら自信が持てるのか……。
そういう先が見えない状態だと、不安ですよね。楽しくありません。
自分が目指す中国語はこれ!
ここまで到達できたらゴール!
そういう、ゴール設定をすることをぜひお勧めします。
発音を維持する力を身につける3ステップ
そして大事なことが、もう一つあります。
はじめはどうしても第三者に発音をチェックしてもらうことが必要です。
でも、やがては、第三者のチェックに頼らず、自分自身が自分の発音を評価できるようになっていただきたいんです。
はじめは、「ここが違いますよ」と指摘されても、何がどう違っているのか納得できない、自分ではまったく気づかない、ということがよくあります。
それが次のような段階を経て発音に自覚的になっていきます。
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- 録音を聞けば自分で誤りに気づくことができる
- 発音したとたんに自分で誤りに気づくことができる
- 発音する前から、注意して発音することができる
こうして、自分で気づいて自分で維持できる力を身につける、そこを発音矯正のゴールととらえることもできると思います。
「発音する前から、注意して発音することができる」ところまできたら、非ネイティブとしてはもう十分に修練を積んだと言えるのではないでしょうか。
そこからあとは、中国語の力を総合的に上昇させ、発音・語彙・文法・文化的知識を融合させて全体的にラクに話せるようになる、そんな境地を目指したいですね。
わたしも目指しています。
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そんなことが書いてあるamazonペーパーバック『りんず式中国語発音矯正』は2022年8月8日に刊行されました。
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