この本はどんな人におすすめで、どんなことが書いてあるのか、ご紹介します。
この本には、中国語をさらっと学んでみたい人には不要なほどの詳しい解説が載っています。
それはこの本が、「中国語はある程度できるけれども発音をもっとよくしたい!」と思っている発音矯正希望の方に向けて書かれているからです。
ではなぜ詳しすぎるほどの解説なのか。
それは、わたしのこれまでのレッスン経験から、「知識が発音を変える」という確信を持つに至ったからです。
自慢ですがわたしは「発音が見える先生」と言ってくださる方もいる発音オタクです。
それで、レッスンでも、アゴをこうしましょう、舌をこうしましょう、といろいろ指示するわけなのですが、それを体系的に言語化することを試みました。
わたしがレッスンでお話ししていることを分類し、項目ごとに整理したわけです。
しかし読者さんにもいろいろなタイプの方がいます。
文字情報を受け取るのが得意な方。それよりも視覚情報や音声情報を受け取るのが得意な方。
どなたにもいくばくかの知識を届けるには、わかりやすい図解が必要です。
そこで本書の制作で非常に力を入れたのが、口腔断面の図解です。
これはグラフィックデザイナーの keiko在台灣 さんと相談を重ね、何度も何度も修正を繰り返して完成させた図解です。
もちろん模式図ではあるのですが、これは解剖学的にもわりと信頼のおける図です。
なんでそう言い切れるのか。
なんとわたしたちが生きているこの時代、人間が発音しているその口の中の様子を、透視することができるんです!
その技術は、リアルタイムMRI。
そう、医療技術のMRI、あれは体を輪切りにした静止画を何枚も撮影することによって体内の病変を観察するわけですが、静止状態ではなく、動いている様子を動画として撮影することができる、それがリアルタイムMRIらしいです。
それによって、話している人間の正中矢状面断面を見ることができるんです!
そこでわたしは一般公開されているリアルタイムMRIの映像を観察して、個々人の個性による差異を廃して模式化したくさんの断面図を作って、本書にたっぷり掲載したわけです。
これはkeiko在台灣さんと一緒にほんとに頑張りました。
読者のみなさんにもきっとお楽しみいただけると思います。
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