Zさん:先生! 今日ディクテーションしていたら、また聞き間違いがあったんです……。
井田:あら、どんなことでしたか?
Zさん:“比较” Bi3jiao4 が bi と jiao は聞こえたんですが、なんか声調が変だったんです。
井田:ほー。
Zさん:続きが“慢”man4 だったので、この文には“比较慢”しか当てはまらないと思って書き取って、とりあえず正解でしたが……。
井田:推測で当てるのは素晴らしいですね! どれどれ……。ふーむ。わたしはこのテキストCDの音声は「bi2jiao3」に聞こえますねー。うんうん。たまーにネイティブでこういう発音をする人がいます。
なんで bi3jiao4 が bi2jiao3 になっちゃうのか。
おそらく、bi の3声が終わりきる前に気持ちが4声になってしまって、4声のはずの jiao は一番高いところを bi に持っていかれて低いところだけ発音された、っていうような経緯で生まれているのだと思います。
“比较”をこの声調で読むケースは割と多いので、“比较” のバリエーションとしてとらえることもできます。こういう、辞書に載ってない読み方を「俗読み」と呼ぶ人もいます。こういうがあることがあるので、聞き取り対策としては、知識として蓄えていくしかないですね。
「俗読み」の他の例としては、例えば “结束” jiéshù を jiésù と読む人がいたりします。
Zさん:そうなんですね! じゃあ、知らない発音だったら、やっぱり前後の文脈から推理するのも必要ですね。
井田:その通りです♪ 文脈や文法的な構造も理解を助けてくれますね。