今回は、ピンインを書くということの意義についてお話ししようと思います。
というのは、ピンインを書くことができる、というスキルは、中国語の力を伸ばすために必須のスキルだからです。
カンのいいかたはもうお分かりかもしれませんが、ピンインが書けるということが、語学力の向上にどうつながっているのか、整理してみたいと思います。
結論から言うと、ピンインを書くことができるようになると、「単語を覚えられる」「聞き取りができる」というメリットがあります。
単語を記憶すること、音声を聞いて理解すること、どちらも、語学力の向上には必須の能力ですよね。
それがなぜなのか、ということを考えてみましょう。
まず、「ピンインがわかれば発音できる」ということがあります。ピンインの知識があれば、ピンインを見て発音することができますよね。
そして、人間は、自分が発音できる音は、他の人が発音していても、同じ音だ、と認識できるのです。つまり、「発音できる音は聞こえる」というわけです。
発音できる音は聞こえる、ということは、逆にいうと、「聞いた音のピンインがわかる」ということでもあります。
そうなれば、大きなメリットがあります。それが、「単語を覚えられる」ということです。
ピンインを書けると単語を覚えられるというのは、「聞いた音のピンインがわかる」ようになるからです。
ピンインが書ける人は、もしも知らない単語を耳にしたとしても、その音をピンインの体系の中で聞き取り、自分の口で発音して再現することができます。その音をピンインでうつしとり、文字として記録することができます。だから辞書を調べて新しい単語を身につけるということもできます。
逆に、ピンインが書けない人は、知らない単語を耳にした時に、それがどんな音の組み合わせで出来ている単語なのか、分析することができず、再現することもできない、ということになってしまいます。
つまり、ピンインを書けると聞き取りができる、というのも、「発音できる音は聞こえる」からですし、ピンインがわかることでたくさんの単語を覚えるポテンシャルを持っていますから、結果として知っている単語の数が増えて、その語彙力によってますます聞き取りが楽になっていくというわけです。
ですから、「ピンインがわかれば発音できる」というステージに立つために、まずはできるだけ早い時期に、ピンインを書けるようになりましょう。
中国語を始めたばかりのかたは、「覚えるのがたいへん!」と感じてしまうとは思いますが、
ピンインがわかることで、聞いた音声を記憶することができますし、今から話そうとする中国語の発音の細部に気を配ってコントロールすることができます。
それが、よい発音、きれいで聞き取りやすい発音につながりますし、中国語の学習効率、勉強の効率アップにもつながるわけです。