グループレッスンであれ、マンツーマンレッスンであれ、対面であれオンラインであれ、講師がレッスンで言ったことの全部は伝わらないんだなー、って思います。
自分が講師のときもそうですが、自分が受講生のときもそうなのでしょう。
声になって発せられた言葉が100として、聞き手が受け取ってその場で理解されるのは90か80か、ひょっとしたら70くらいかもしれない。統計を取ったわけでもないし、精密な実験をしたわけでもないけど、感覚として割合が減じる。
話し手の方も、150の内容を伝えたいと思っていて、実際に口から出てくるのが100くらいになってしまうこともある。
150のうち80か70が受け取られたとすると、話し手の伝えたいことの半分だけが聞き手に伝わる。
それはまあ机上の計算だけれど、実際にそうなんだろうなーと思います。
何かを学ぶとき、言葉を尽くしてたくさんのことを教えてもらっても、それが私の理解のスピードの及ばない量だったり密度だったりすると、かみ砕いて理解することができません。
問いを発して自分で考えて腑に落ちると、やっと理解できる。
だから、自分が講師側になったときも、言ったことの全部が全部、写真のようにくっきり伝わるとは思わないようになりました。
何回かレッスンがあるなら、そのすべての回に同じことを言い続けると、あるときフッと聞き手の反応が変わることがあります。あ、伝わったんだな、と思います。
言い方を変えてみたり、話の流れを変えてみたり、前提として何かの問いを考えてもらったり。
それは伝達にも役立つし、理解の定着にも役立つことでしょう。
学校出たての新人講師のころは、そういうことはできていなかったなー、とちょっと反省。
りんずラボで中国語教授法の講座を作る予定なのですが、4回のプレセミナーをモニターしてくださった受講生さん(中国語新人講師さん)にも、このことをお伝えしました。
大事なことは何度も何度も伝えましょう、って。
きっといつかは伝わるはず!