「请务必收下 Qing3 wu4bi4 shou1xia4」 = どうぞお受け取りください
職場でのビジネスレター翻訳。
上司の草稿が「……、ご笑納ください」でした。
おお、なんて日本語的いいまわし、と思いつつも、がんばって訳そうと辞書に向かいます。
すると、中国語でも「笑納 xiao4na4」という言葉があるのですね。
「务祈笑纳 wu4 qi2 xiao4na4」
「敬请笑纳 jing4 qing3 xiao4na4」
「望请笑纳 wang4 qing3 xiao4na4」
など、いろいろな例文があるではありませんか。
早速、辞書にある例文の通り訳してG老師に点検していただきました。
すると!
「あ~、この“笑纳”はねえ、だめ。使わないで」
と言われてしまい、びっくり。
何故かというと、あまりにも格式張り過ぎているのか、わたしのような若い女性が使うと(注:33歳は若いらしいです。ようするに青二才ということですね)、どうもふさわしくない、世故長けた感じ、狡猾な感じがする、上品ではない、「その筋」の感じもする、とのさんざんなご意見でした。「务祈笑纳」を読んで意味が分かるのは大切なことだが、あなたが使うことはない。と。
なんとなんと。
文語的な謙譲の言い回しかと思いきや、使われすぎて陳腐化してしまっている、少なくとも、そう感じる人がいる、ようなのです。
それで、G老師の添削の結果、原稿がどうであれ、
「请务必收下 Qing3 wu4bi4 shou1xia4」 = どうぞお受け取りください
と訳すことに。
これはまた、辞書では分からない勉強をしました。
G老師によると、他にもこういった印象を与える言い回しはあるそうで、例えば「ご容赦ください/ご勘弁ください」という意味の
「多多包涵 duo1duo1 bao1han」
「多多海涵 duo1duo1 hai3han」
も、どうも私が使うには妥当ではない。もっと一般的な
「请多原谅 qing3 duo1 yuan2liang4」
「请多谅解 qing3 duo1 liang4jie3」
がよい、とのこと。
むー。丁寧にもほどが過ぎてはいけないということか、言葉だけ知っていても気持ちが入っていなければ駄目ということか、身の丈にあった言葉を使うということか……。
ことばというのは、色々な面で難しいものですねえ。