趣味といえば、スケートもスキーもカメラもギターも、どれも道を究めるところまでいきません。楽しかったけれど、才能とかやる気とか、なにか欠けているものがあったのでしょう。
でも大学初年次に出会った中国語は習い始めから面白くて、好きだ、と感じていました。
試験勉強のやり方というものを知らず、テストの点数はいつも散々でしたが
「もっと知りたい」
という気持ちは強かったことを覚えています。
必修科目ではない授業を受けたり、日中学院に通ったりと、意欲が途切れることはありませんでした。
アルバイトを含め、20代後半からの仕事は、中国語をめぐるものばかりです。
大学図書館で中国書・朝鮮書の整理、
中国語講師としてクラスレッスン、
マンツーマンレッスン、
企業研修レッスン、
翻訳コーディネート、
中国書籍販売、
中国関連書籍の編集制作、
実務翻訳、
中国ドラマの字幕の下訳、
中国語ニュースのナレーター、
書籍の翻訳、
翻訳者育成団体で研修事業立ち上げ、
……。
大学の同窓会で中国語の仕事をしていると言ったところ
「君が中国語!? 中国語の授業で、いつも長谷川先生に怒られていた姿しか思い浮かばない」
と笑われてしまいました。
試験の成績が散々であろうとも、これだけ長い間興味を持続し、仕事で関わっていきたいと思えたものは、中国語だけです。
運命の出会いを果たしたと言えるのかもしれません。