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中国語教員免許を取得するメリットは? せっかく取るなら有効活用

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教員免許を取った方がいいような気がするけれど、どんな職場があるのかな? 採用はあるのかな?と迷っている方もいらっしゃいますよね。

今のところ、中国語教員免許を有効に活用できるのは、他科目教員の方か、研究職の方、個人事業主の方、出産育児で退職された方、です。中国語を教えるという夢、中国語を武器にするという夢を着実に実現するために、しっかりと情報収集をしましょう。

概要

    • 中国語で教育実習ができるか
    • 中学・高校に採用枠はあるか
    • 一般企業の就職には有利か
    • 非常勤講師は求人あり
    • 中国語を自分の武器にするには

中国語で教育実習ができるか

大学生が初めて教員免許を取る際、かならず教育実習が必要となります。もしも取得を目指している免許が中国語のみだとすると、教育実習先を探すのに苦労することになります。

中国語の授業を設置している学校はずいぶん増えましたが、各校とも授業のコマ数が少ないのが現状です。また、第二外国語を設置している公立学校は私立学校より少なく、中学校ではなおさら少なくなります。

受け入れ校によっては、中国語を「外国語」として読み替え英語の実習をさせてくれるケースもあるようですが、2週間に及ぶ授業を他科目の実習生に任せるのはリスキーですし、実習生としても受け入れ校としても負担が大きいでしょう。なにより、縁のある恩師が在職しているなど現場の温情に甘えられる実習生ばかりでもないでしょう。

現実的には、中学免許だけではなく高校免許も取得し、なおかつ英語・国語など中国語以外のメジャーな教科の免許も取得するという予定で、計画的な単位取得をしておいた方が実習校が見つかりやすいということになります。

すでに他科目の教員免許を持っている方が中国語教員免許を取得する方法についてはこちらの記事をご参照ください。

中学・高校に採用枠はあるか

無事に中国語の教員免許を取得できたとして、採用・就職のことも気になりますね。第二外国語として中国語を設置している学校は、30年前に比べたら格段に増えました。とはいえ、全学校数の中ではまだ少数です。教員としての採用枠はあるのでしょうか。

私の知り合いにたった一人だけ、高校で中国語の専任教員をされていた方がいます。そのPさんの退職後は、後任の方も中国語専任になられたそうです。しかしこれはある県立実験校の話で、全国的に見ても大変珍しい事例です。

ほとんどの学校では、他教科の教員で中国語ができる人が「他教科免許の追加取得」をして教える例が多いようです。私の知り合いでは、国語教員、美術教員の方がいました。さきほどのPさんも元は国語教員だったそうです。

やはり現場での教員の配置も考えると、大学在学中に主要5教科など他教科の免許も取得しておくほうが得策のようです。大学の専攻によって国語、英語、地理歴史などが単位を取りやすいのではないでしょうか。

一般企業の就職には有利か

学校教員を目指さず一般企業への就職を目指している場合、中国語の教員免許を取得したということはアピール材料になるのでしょうか。

これは中国語に限らず、教員免許を取得した上で一般企業に応募する学生さんがみな考える問題のようで、就職情報サイトなどでもアドバイスを見かけます。
言わずもがなですが「教員になろうかとおもったけど大変そうだからやめました」「採用してもらえなかったから諦めました」などといったネガティブな感想を前面に出すのはNGですよね。

単位取得や教育実習にあたりどれくらい真剣に取り組んだか、どんなことを学んだか、自分にとって中国語とはなにか、といった「何か一つのものに打ち込んだ経験」としてアピールすることはもちろんできます。

では中国語の能力のアピールにはなるでしょうか。

現在、中国語に関する国家資格は全国通訳案内士(通訳ガイド)と教員免許しかありません。
通訳案内士の資格を取得するには、中国語検定1級レベルと言われる難関の筆記試験を突破し、日本文化や地理、歴史に関する筆記試験も突破し、高度な通訳能力が求められる2次試験を突破しなければなりません。語学筆記試験は中国語検定1級かHSK6級で免除されますが、いずれも多くの大学生には難しいでしょう。

そんな中で中国語の教員免許を取得したということは、きちんと専門的な知識を身につけて取得した国家資格としてアピール材料にすることはできます。

ただし、教員免許の取得がかならずしも語学運用スキルの証明にならないととらえられている一面もあります。応募先の面接官も、英語教員の免許を持っていても英語が流暢に話せるわけではない、というケースは見聞きしていることでしょう。
中国語に対する熱意のほかに語学スキルをアピールするには、語学検定試験の成績や実際のスピーキング能力を見てもらう必要があるでしょう。

非常勤講師は求人あり

授業科目として中国語を設けている中学・高校では、授業数自体が週に2~3コマ程度にとどまっています。そのため非常勤教員が受け持っている場合も多く、非常勤であればまれに求人が出ることもあります。
非常勤講師は、それだけで生計を立てるのが難しい一方、研究職の方・個人事業主の方が兼業で行う場合や、出産育児で退職された方が短時間勤務を希望する場合などには、拘束時間とやりがいの面でわりとマッチしやすい仕事です。

ただし求人数は限られています。
私は歴史専攻の大学院で学びましたので、大学院生や若手研究者が研究職や教職など様々な非常勤職の獲得に奔走している姿を見ていました。公立高校、私立高校の臨時採用試験の情報にアンテナを立て、学科試験対策の勉強をして、いざ求人が出たとなると一つの採用情報に大勢の希望者が殺到します。求人数の多い主要5教科でさえ厳しい難関です。

限られているとはいえ、求人がまったくないわけではないので、当座の生活資金に困っていない方なら、次のような情報サイトにアンテナを張っておくといいかもしれません。
また、公立学校の臨時採用情報については、各都道府県の教育委員会に名簿登録のしくみがある場合があります。問い合わせてみましょう。

中国語を自分の武器にするには

もしも「可能性が低くてもいい、倍率が高くてもいい。どうしても教員になりたい。中学・高校で中国語を教えたい」というならば、積極的に複数科目の教員免許を取り、他科目教員としての採用を目指しましょう。中国語授業の担当も兼任する道があります。
また、中国語のクラブ活動を立ち上げ、生徒を集めて実績を積んでから中国語の授業の設置を学校側に働きかけるという手もあります。

中学・高校にこだわらず「中国語が好きだ。一般の語学スクールなどで中国語を教えたい」というならば、とくに決まった資格はありません。
私自身も町の語学教室、都心の語学スクール、企業研修専門の講師派遣サービスなどで採用され、色々な場所で中国語を教えましたが、どこも実力重視で、採用の決め手はコミュニケーション能力や実技のパフォーマンスでした。
検定試験の取得級や留学経験などは、採用に直結するわけではありませんが、書類選考のアピール材料になりますし、なにより勉強の課程で自分の実力を伸ばすことができます。
中国語教員免許を取得していることも、強いアピール材料になり得ます。教えることに対する情熱、中国語に対する情熱を育み、アピールし、中国語学習の裾野を広げましょう。

次に「教えることにはこだわらず、中国語を使って仕事がしたい」という場合はどうでしょうか。
業務の中で中国語スキルを求められる職場も多数あります。
では、あなたは「中国語を使った仕事がしたい」のでしょうか。それとも「やりたい仕事があって、その仕事を進めるために中国語を活かしたい」のでしょうか。
「安定した会社に就職したい。中国語は就職のための手段」「将来は独立して中国ビジネスをしたい」など、人によって様々な思いが出てくるでしょう。

職業選択には「どんな生き方をしたいのか」「どんな仕事を成し遂げたいのか」というキャリアプランを避けて通ることはできませんね。こうしたマインドセット、目標設定は中国語に限ったことではありません。語学力はあくまであなたの持っている一つのスキルにすぎません。
学生のうちは、中国語力を磨くとともに、自分が社会人になってからの生涯を念頭におき、どんな仕事をしたいのかを考えながら、様々な経験をしてみてください。社会を学び、業界研究をして、自分にとってやりがいのある人生を歩みましょう!

まとめ

自分にとって「中国語を武器にすることの意味」を考えてみましょう。

  • 「可能性が低くてもいい、倍率が高くてもいい。どうしても教員になりたい。中学・高校で中国語を教えたい」
  • 「中国語が好きだ。一般の語学スクールなどで中国語を教えたい」
  • 「教えることにはこだわらず、中国語を使って仕事がしたい」
  • 「中国語を使った仕事がしたい」
  • 「やりたい仕事があって、その仕事を進めるために中国語を活かしたい」
  • 「安定した会社に就職したい。中国語は就職のための手段」
  • 「将来は独立して中国ビジネスをしたい」

どんな生き方をしたいのか、どんな仕事を成し遂げたいのか、キャリアプランを立てて、目標設定をしましょう。
迷ったら、人生の先輩をつかまえて、片っ端から人生哲学を聞き出してみましょう。

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