前回の【受講生の声】でご登場くださった現役中国語講師のGさんに、さらなるご感想をいただきました。
「中国語発音指導士(R)養成講座」の一環として発音矯正個人レッスンを受けた感想として、それまでの発音から何が変わったかをお話しくださっています。
「言われていることがよく分からない」と最初は思ったんです
(Gさん)
私、次は中国語検定1級を受けようと思っていて、毎日『キクタン』(※注 超有名な単語学習書)を聞いて発音を繰り返しています。
その時にとにかく井田さんに言われたことを意識しながら、すべての単語を発音する時に口の形に気をつけて音読するようにしています。
実は、最初に井田さんの指導を受けた時には、難しすぎて分からないと思ったんですよ。
なんだか「言われてることがよく分からない…」っていう感じだったんです。
でも、2回目にメモを取りながらコメントの録音をゆっくり聞いたら、「ああなるほどなるほど」って、やっとちょっと腑に落ちる感覚がありました。
そうやって腑に落ちた耳で聞くと、やっと、それ以前の発音とモデル音声の発音が違うっていうことが分かるようになりました。
だから自分の耳は多分できてきたと思います。
自分の口ができているかどうかは、まだちょっと定かではありませんが、少なくとも耳の方は育ってきました。
自分がある発音をしていて、ああたしかにおっしゃる通り、この発音は間違いだなーっていうことがよく分かるようになったんです。
いまは逆に、世の中にはあんなにいっぱい教科書があるのに「なんで教えてくれなかったの!?」っていう気持ちです。
発音の要点は口の形や舌の位置が決める
特に口の形についてそう思っています。
井田さんは①と②は口の高さが一緒で②と③は口の幅が一緒、という説明をしてくださいました。
ああいう書き方をした本は見たことがありません。
むしろ井田さん式の説明に照らせば間違った指導がけっこう多いと思います。
私は発音の学習書をたくさん読んできましたが、 o も u も口を尖らせればいいんだな、みたいなふうに勝手に思っていたところがありました。
「ああ、とにかく唇の形でしょ」とかって思っていまして、その時に口の中でどんなことが行われているか、ということには全く無頓着だったんです。
だけどやっぱりどんな音を出すかということでは、たとえば「口を尖らして」と言いますが、肝心なのはその時の口の中の状態なわけで、舌の位置がものすごく大事なんですよね。
特に zh の舌の位置の指摘をされた時に、よく井田さんはこんな細かいところまで分かるなと驚きました。
「zh の時に舌がちょっと奥寄りになってる」って指摘されたんです。
そうかしらと思って、実際に自分も聞いてみたら確かにと思いました。前に出した時の zh と後ろに引っ込ませすぎた時の zh は、やっぱり違っていたんです。
そんなことに始まって、いろいろなことで本当にもう目からウロコがなくなるくらい落ちました(笑)
いま、教室で初心者さんに中国語を教える際にとても役立っています。
Gさんはかなり流暢に中国語を操れる方でしたが、勇気をもって基礎から鍛え直すことを選ばれました。矯正途中では特定の項目で苦労されていましたが、あるとき、フッとハードルを越えて、ますます安定した発音を獲得され、わたしもとても嬉しくなりました。
中国語歴が何年あっても、上級者でも発音の修正は可能なんだな、ということを身をもって教えてくださったGさん。
これからもたくさんの学習者さんを導いてくださることと思います!