手さぐりの練習から卒業し 通じる発音・伝わる発音へ
これは『中国語の音とリズムを楽しむ りんず式中国語発音矯正』の表紙に掲げたメッセージです。もう一つ裏表紙には
発音に真剣なあなたに 発音で苦労し続けてきたあなたに 伝わる発音の条件は何か。 自然な発音の条件は何か。 どうすればお手本に近づけるのか。 「知る」「訓練する」で、必ず変わります
というメッセージを載せています。
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- 毎日発音練習をしているのに、一向に上手になった気がしない
- 真剣に取り組んでいるけれど、やり方があっているかどうかわからない
こんな風に苦労している学習者さんは多いようです。
とてももったいないことだと思います。
今回は発音のトレーニングについてお話ししてみましょう。
努力が実る練習
練習をすればするだけ前に進んでいく感じが持てたら、いいですよね。
きっとやりがいを感じることができます。
どうしたら、そのような有効な練習ができるのでしょうか。
大事なことはこの二つです。
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- 現在地点とゴール地点が分かっている
- どうすれば前に進めるのかが分かっている
「現在地点が分かっている」とは、自分の発音がどんなときにどんなクセを持っているのか、それが分かっていることです。
「ゴール地点が分かっている」とは、自分が目指している発音はどんな発音なのか、それが分かっていることです。
その二つが分かった上で、ではどんな順番でクセをケアすればいいのか、どうやって規範的な発音にすればいいのか、それが分かっていればゴールに向かって前に進めますよね。
いちばん効率的なのは、第三者に発音を診断してもらったりアドバイスをもらうことですが、
(それができる中国語発音指導士(R)は養成講座から続々デビュー中ですよー)
(りんず中国語ラボでも発音診断&学習アドバイスしていますよー)
独学で進めたいという方は、以下のようなポイントを踏まえた上で練習しましょう。
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- お手本の何を聞くべきかを知る
音を聞いてただ真似しても、そっくりにするのは難しいことです。『りんず式中国語発音矯正』のような参考書を見て、ぜひ真似するポイントをつかんでから練習してくださいね。
- お手本の何を聞くべきかを知る
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- 自分の修正点が何なのかを知る
自分の音声を録音して、モデル音声と聞き比べてみましょう。特定の母音や特定の子音、特定の声調にクセがあったらそれをケアします。「どうも全体的にシャキッとしない」だったら、 声調か母音が全体的に表現が足りない、ということが考えられます。
- 自分の修正点が何なのかを知る
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- 自分の声を聞く
録音したものを聞いて、「あ、違うな」と感じるようになったら、今度は自分が今発音している時のその声にも耳をすませてみましょう。そんなのいつも聞いてるよ、と感じるかもしれません。
でも実は、聞くポイントを意識していないと、聞く気がない音はずっと聞こえてこない、そういうふうに人間の脳は処理をしてしまいます。「お手本の何を聞くべきかを知る」でモデル音声に耳をすませたのとおなじ意識を持って聞きましょう。
声を出すことや口を動かす方に忙しいと思いますが、そのうえで、その操作がどう表現されたかを聞く、ということに脳のリソースを割いてみましょう。
- 自分の声を聞く
こういった意識づけを持って行う練習が、「努力の実る練習」です。
レベルにあったトレーニング
とはいえ、自分のレベルにあっていない練習では、やはり効果は上がりません。
富士山に登ったことがない人がエベレスト登山に挑戦しても無謀ですよね。
わたしたちが子供だった頃のことを考えてみましょう。
はじめは歩けませんでした。
部屋の中で立ってみる。
つかまりながら伝い歩きをしてみる。
どこにもつかまらず自分で歩いてみる。
歩道を歩いてみる。
疲れてくじけそうになったら、「次の電信柱までがんばろうね」と言ってどうにかこうにか目的地に行ける。
そしてやがて小学校まで子供だけで歩いていける。
そんなふうにして大人になってきました。
スキルの習得はなんでもそんなものです。
基礎から順々に挑戦していく。
発音矯正でわたしがおすすめしているのは、「音節」→「単語」→「短文」→「長文」→「フリートーク」という順番です。
一つのことができるようになったら次の段階に挑戦していく。
必ずできるようになりますから、焦らずに、順々に、取り組んでいきましょう。
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そんなレベルに合わせた発音トレーニングについても書いてあるamazonペーパーバック『中国語の音とリズムを楽しむ りんず式中国語発音矯正』は2022年8月8日刊行。
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