受講生:先生!
りんず:はい。なんでしょうか?
受講生:hen のときは e の音は日本語の エ に近いっておっしゃっていましたよね?
りんず:はい、そうですね。
単母音の e は o と舌の構えがほぼ同じなので、オ や ウ の仲間の音が出ます。
それに比べると、hen などのつづりに見られる e の音は、どちらかといえば エ に近い音になります。
受講生:でも wen の音を聞いていると、どうも hen の時の e とは違う音に聞こえるんです。
りんず:なるほどなるほど。では、ご説明しましょう。でもその前に、クイズです! ♪ ぱらぱぱっぱぱー ♪
受講生:えっクイズですか!?
りんず:問題1)hen の母音はなんでしょうか? つづいて問題2)wen の母音はなんでしょうか?
受講生:えっ、2問続けて…? えーと、hen の母音は en で、wen の母音も en ……、あっ違った! wen はもともと uen だから、全部が母音だ!
りんず:正解です。ではそれをはっきりさせたところで、en の発音と uen の発音について説明しましょう〜♪
単母音 e の舌の構えはどうなっているかというと、舌のいちばん高いところが「奥」で「やや高め」の位置。
鼻母音 en のはじめ、e のときの舌の構えはというと、舌のいちばん高いところが「中央」で高くも低くもない「真ん中」の高さ。
日本語の え は舌のいちばん高いところが「前」なので、それよりは少し舌が引っ込んだ感じの音で始まるわけです。
母音 uen(wen)の e のときの舌の構えは、en のはじめと同じです。
でも、u ではじまり n で終わるという変化の中で、その位置に舌がある時間はほんの一瞬です。
en の時より短くなるのです。
さらに、唇を丸くすぼめる u で始まっているので、舌の位置が同じになっても聞こえてくる響きは同じではありません。
そんなわけで、つづりの中に同じローマ字が入っているからといって、同じ発音であるということではないんです。
ちなみに鼻母音 eng のときはもっと奥寄りの音になり、複合母音 ie, üe, ei, uei のときはもっと前寄りの音になります。
受講生:ということは、ローマ字の e だけで4つもの発音に使われてるってことなんですね。ひえ〜。
りんず:ピンインは漢字の読みをつづりで示しているだけなので、発音記号みたいに音が違えば違う記号を使うっていう考え方で作られてるわけじゃないんですよ。
受講生:そうなんですかー。じゃあ、発音はピンインのローマ字を読み上げればいいっていうものじゃないんですね。
りんず:その通りです! ローマ字1文字ずつに注目するのではなくて、ピンインのつづり全体を見て、お手本音声を聞いて、このつづりはこういう音なんだな、って覚えてください。
受講生:わかりましたー。それで発音のやり方がわからなかったら先生にお尋ねします!
りんず:はい。大歓迎ですよー♪