「事」一字、けっこう多彩な使われ方をしているようです。
やっかい = 「真费事儿 zhen1 fei4 shi4er」
「なんだか細かい仕事してるわねえ」
「そう、いちいち点検しながらやらなきゃいけないから、やっかいなのよ」
……なんてときの「やっかい」
うるさいことを言わない = 「事儿不多 shi4er bu4 duo1」
「こんど管理部に異動になりました」
「そうですか。S部長はうるさいことを言わないから、いいですね」
……なんてときの「うるさいことを言わない」。「がみがみやかましくない」という感じ。
日→中通訳でこれを「不严格」と訳したら笑われちゃいました。「厳格じゃない」なんて、裏取引を容認する上司みたいだ、って。
めんどうだ = 「事儿多 shi4er duo1」
「すみませんが、書類Aと書類Bと書類Cを用意して下さい。それぞれ4部ずつ両面コピーして製本して、手書きで宛名を記入して下さい。それで書類Dは翻訳して原本と一緒に……」
「おたくの会社の規定はホントにめんどうですねえ」
……なんてときの「めんどう」。「麻烦」は話者自身の主観的な感想であるのに対し、こちらは客観的にみて手がかかる感じ。
「君のところはホントに大変だね、ご苦労さん」
とでもいうシチュエーションで、「你们那儿事儿真多!」と使われてました。やれやれやっかいだなあ、という気持と、あんたも大変だね、というねぎらいの気持と半分半分だったみたい。