Tさん:この間「有気音では空気の音をはさむ」って教えていただき、ありがとうございました(有気音でティッシュが吹けません)。
井田:いえいえ、お役に立ててなによりです。
Tさん:ところで、有気音なのか無気音なのか、分からない発音があるんです。
井田:あら、そうですか?
Tさん:たとえば「ge, ke, he」の「h」とか。
井田:あー、それも発音あるあるです! はい、お任せください!
「ge, ke, he」の「g」は無気音で「k」は有気音ですが、じゃあ「h」は?というご質問です。
中国語の子音には、有気音と無気音がある、といっても、ぜんぶの子音がそのどっちかに分けられる、というわけではありません。
子音の発音は、
舌や唇のどこを使って、どこで発音するのか、という「調音部位」と、
調音(発音)部位をどのように操作して発音するのか、という「調音方法」によって分類できます。
まあ、むつかしいことを言わなくても――
発音には大まかに言って4つのグループがある。
そのうち有気音と無気音に分けられるのは、「破裂音」と「破擦音」だけ
と覚えればシンプルです。
詳しくはこの表をごらんあれ。
普通話には21個の子音があり、7つの調音部位、4つの調音方法に分類することができます。
「破裂音」と「破擦音」は、舌や下唇が、上あごや上唇といったん接触し、離れることで発音される音です。
すなわち、肺から出てきた気流を、調音部位でいったん閉じ込め(閉鎖)、調音部位を離す(閉鎖を開放する)ことで子音が発音できる。
そのときの、閉鎖の開放のしかたを変えると、有気音と無気音という別の子音が発音できるというわけなのです。
つまり、調音部位で気流の閉鎖が行われない発音では、有気音も無気音も発音できないのです。
井田:つまり、有気音と無気音の区別があるのは、「破裂音」と「破擦音」だけなので、「摩擦音」の「h」は有気音でも無気音でもないんですよー。
Tさん:あー、なるほどー。「破裂音」と「破擦音」っていうカテゴリーのなかに、さらに小さなカテゴリーとして有気音と無気音がある、っていうことですか?
井田:その通り! 21個の子音全部が、有気音と無気音に分けられるわけじゃないんですよー。