使っているテキストの解説に、しれっと登場する文法用語。
本文を見れば意味はわかったような気がするからー、とスルーしてしまいがちではありませんか?
わたしもそうでした。
でもある時、しっかり調べてみたら「そうか、そういうことだったのか!」って視界がぱぁーっとクリアになりました。
今回は、ごく最初の段階で出てくる文法用語、2種類の修飾語についてまとめます。
目次
- 修飾関係は4パターン
- 連体修飾語のはたらきと中国語名
- 連用修飾語のはたらきと中国語名
- 「de」が結びつけてくれることも
- 文法知識の活かし方
修飾関係は4パターン
修飾語とはなんでしょうか?
赤いリンゴ
この場合は、「リンゴ」が中心語で、その特徴を説明している「赤い」が修飾語です。
「赤い」と「リンゴ」は修飾関係にある、と言います。
※「中心語」はここでは「被修飾語」と同じ意味です。
中国語では、修飾語と中心語との関係が次の4パターンあります。
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- なんのなになに
- どんななになに
- どのようにどうする
- どれくらいどんなだ
「1. なんの」「2. どんな」「3. どのように」「4. どれくらい」というのが修飾語です。
中心語の性質や材料を説明したり、様子や程度を補足したりします。
「1. なになに」「2. なになに」「3. どうする」「4. どんなだ」というのが中心語です。
連体修飾語のはたらきと中国語名
4パターンのうち、次の2パターンの場合、修飾語は「連体修飾語」といいます。
「体言」に「連なる」修飾語、という意味です。
では「体言」とはなんぞや。
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- なんのなになに
- どんななになに
この修飾関係のうち、「なになに」の分類が、体言なんです。まあ大体が名詞です。
そして、「なんの」「どんな」が連体修飾語です。
でもって、「連体修飾語」は中国語で「定语 dìngyǔ」と言います。
実際のフレーズでいうと、こんな感じ。
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- 木头椅子 mùtou yǐzi(木製の椅子)
- 红色苹果 hóngsè píngguǒ(赤いリンゴ)
「椅子」や「リンゴ」が中心語。それを説明している「木製の」「赤い」が連体修飾語=定语です。
連用修飾語のはたらきと中国語名
修飾関係が次の2パターンの場合、修飾語は「連用修飾語」といいます。
「用言」に「連なる」修飾語、という意味です。
では「用言」とはなんぞや。
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- どのようにどうする
- どれくらいどんなだ
この修飾関係のうち、「どうする」「どんなだ」の分類が、用言です。動詞か形容詞が用言だと思っていたらOKです。
そして、「どのように」「どれくらい」が連用修飾語です。
でもって、「連用修飾語」は中国語で「状语 zhuàngyǔ」と言います。
実際のフレーズでいうと、こんな感じ。
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- 快乐跳舞 kuàilè tiàowǔ(楽しく踊る)
- 特别认真 tèbié rènzhēn(とても真剣だ)
「踊る」や「真剣だ」が中心語。それを説明している「楽しく」「とても」が連用修飾語=状语です。
「de」が結びつけてくれることも
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- 木头椅子
- 红色苹果
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- 快乐跳舞
- 特别认真
先ほどまで出した例は、どれも修飾語や中心語が直接に隣り合って並んでいました。
この修飾語と中心語の間に、記号のような役割をする「de」という軽声の音が入ることがあります。
【連体修飾の場合】
「木製の椅子」「赤いリンゴ」など「なんのなになに」タイプと「どんななになに」タイプの場合、修飾語と中心語の間に「的 de」が入ることができます。
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- 木头 的 椅子
- 红色 的 苹果
※ de が入らないと決まっている組み合わせもあります。詳しい文法書をご参照ください。
【連用修飾の場合】
「楽しく踊る」など「どのようにどうする」タイプの場合、修飾語と中心語の間に「地 de」が入ることができます。
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- 快乐 地 跳舞
※ 「どれくらいどんなだ」タイプは、「的 de」が使われることが多いようです
文法知識の活かし方
ここで紹介したような文法事項を知っていると、どんないいことがあるのか?
それはですね。
大きく言えば「見分けがつくこと」「組み立てが楽になること」ですね。
【見分けがつく】
中国語を見たり聞いたりした時、2つ並んでいる単語があって、意味を知りたい時。修飾関係4パターンの組み合わせに合っていれば、たとえ知らない単語があっても意味が推測できます。
もし「的 de」か「地 de」が入っていれば、連体修飾関係か連用修飾関係かがひと目で分かります。
【組み立てが楽になる】
中国語には、修飾関係のパターンが4つある、ということを知っていれば、作文をする時、話をする時、文の組み立てが楽になります。
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- なんのなになに
- どんななになに
- どのようにどうする
- どれくらいどんなだ
この順に中国語の単語をならべることで、説明したり補足したりする関係はかなり表現することができます。
これで表現できない関係は、別に補語を使ったりします。
その見極めがつくのも、文法用語やその働きを覚えていればこそです。
一瞬だけ気合を入れて、自分の知識として覚えてしまいましょう。
きっと、ずっと役立つサポートアイテムになります。
これからも、読み取る・聞き取る、書く・話す、に役立つ文法用語、シンプルに解説していきますね。