うちの下の子が今9歳で、もう歯磨きの仕上げ磨きをしてやることがなくなりました。
保健センターでは、10歳までは保護者が仕上げ磨きをしてあげましょう、ってアナウンスされているのですが、まあ、自分でもやれているようなので。
今の子は赤ちゃんの頃から口腔ケアにフッ素を使っているので、虫歯が少ないですね。
わたしの世代でも虫歯がない人もいたけれど、フッ素が普及していたら虫歯率ももっと低かったと思うのに。
でもって、子供に歯磨きをさせていた時の記憶が薄れないうちにトリビアを書いておきます。
子供の舌で歯が隠れてしまうときの秘策
特に奥歯を磨きたいとき、その横にある舌がぽってりと歯を隠してしまい、見えないし磨けない、ということがよく起こります。
そのとき、子供自身にその舌をどけさせる秘策があるんです。
それは、
「あ」の口で「お」って言ってみて
って指示することです。
まず唇は「あ」の形に大きく開いたままにします。
そして「お」の声を出してもらいます。
すると、舌先がきゅっと奥に引っ込み、あら不思議。隠れていた奥歯がよーく見えます♪ ってなるんです。
上の子、下の子合わせて仕上げ磨きをしてやっていた時期には、歯磨きタイムになると、「あーの口でおー」っていう合言葉が毎回交わされていました。
「お」の悪魔
みなさんは「あ、い、う、え、お」ってはっきり発音するとき、「お」の時の唇はどんな形になりますか?
ひょっとして唇をちょっとすぼめて、前にすこし突き出すようになりませんか?
でも、「顔、洗った?」の「お」とか、「お菓子があるわよ」の「お」の時、同じようにそんなに突き出すでしょうか?
どうも、単体で「お」って発音する時には、唇を突き出したくなってしまう心理がはたらくようなんですよね。
「あーの口でおー」の時も、唇は「あ」の形で、舌だけ「お」の形だよ、と言い聞かせるまでは、「おの口」で唇がすぼんでしまって口の中のすべてが見えない、ということがありました。
小学4年生に単母音 “e” を発音させてみた
そんなことを思っているとき。
当時小4だったの息子に中国語の単母音“e”の発音をさせてみました。
仕上げ磨きを卒業して1年ほどの頃でしょうか。
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「おー」って言ってみて。
日本語の「お」よりタテ長にしてね。
それから、
ヨコ幅そのままでタテを短くしてみて。
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結果、最終的には“e”の音が出ました。
でもその経過は、あれこれ修正したりして意外に回り道だったので、色々な発見がありました。
Aをしてね、と指示しているのに、AではないBの動作が出てくる。
ただ単にタテ長にして欲しいのに、唇を前に突き出したり(「お」の悪魔が。。。)。
ただ単にタテを短くして欲しいのに、“r”の音が出てきたり。
思ったのと違う動きをしてしまう
きっとこれ、楽器の練習でも同じだなーと思いました。
一時期、大人になってからピアノを習っていたことがあるのですが、なかなか弾けない箇所がありました。
「両手で同じタイミングで鍵盤を弾くのに、左手と右手のタッチが違う」という箇所です。
同時に8回鍵盤を押すのに、右手では、
「たーらったったっ、たーらったったっ」
とはずむように弾き、左手では、
「たーたーたーたー、たーたーたーたー」
とのばして弾く箇所。
もう、ぜんぜん思うようにできません。左右とも長くのびてしまったり、左右ともはずんでしまったり。
思ったのと違う動きをしてしまうんですよ。
初心者だからできないのか、トシだからできないのか?
息子の単母音 “ e ” のことを考えると、小4の若い子供だって思った通りの動きができないわけだから、これはトシの問題ではないはずです。
自覚と習熟
では何が必要か。
目的の動作と何が違うかが分かる。
コントロールすれば動作を変えることができると知る。
つまり、コントロールするという行為に対する自覚を持つこと。
そして、繰り返しによる習熟。
まとめると、主体的行動と、繰り返し。
語学も、語学でない趣味も、練習あるのみですね。
それと、講師による的確な指摘とアドバイスも、もちろん必要。
必要とまでは言わなくてもいいかもしれませんが、「思った通りに動かせるようになる」ためのコツや練習方法を、講師なら知っているかもしれません。
経験者のアドバイスがあれば、遠回りを予防できますよね。