ここ数年、コツコツと本の原稿をまとめてきました。
その見本刷りが届きました!
発音矯正をしたいと考えている学習者さんに向けた本です。
自分で作って自分で売る、私家版の本です。
もともとは中国語発音指導士®の先生方向けの指導テキストを作ろうと考えて、構想を練ってきました。
いろいろ考えているうちに、学習者さんがひとりで読んでも役立つ本になりました。
先生と学習者がそれぞれこの本を読んでおくことで、発音矯正のゴールまでの認識を共有することができるようになります。
単調になりがちな基礎トレーニングも、目的が分かれば不安なく、迷いなく続けられることでしょう。
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わたしがりんず中国語ラボを旗揚げするとき、発音矯正を看板にあげているスクールは見当たりませんでした。
だから、とても不安でした。
発音矯正に興味のある学習者さんはいるんだろうか、と。
それに、日本人で日本語ネイティブであるわたしが中国語の発音を教えることについて、理解を得られるだろうか、必要としてもらえるだろうか、ということも心配していました。
発音専門で教えておられる方は本当に数少なく、中国語圏にルーツのある方が目立ったからです。
それでもわたしはその道に踏み出さずにはいられませんでした。
なりたくなくても発音のオタクだったからです。
ひょっとすると母語の日本語の発音にコンプレックスがあったせいで、発音に敏感になったのかもしれません。
中国留学中も同じ中国語といってもいろいろななまりの響きがあることがおもしろくてなりませんでした。
そうはいっても非ネイティブ。やはりわたしには、教えられることと、教えられないことがあります。
スラングや流行の中国語はネイティブの先生におまかせします。
古典の知識に裏打ちされた文化的背景などは、今からでも私が教えていただきたいくらいです。
発音だってネイティブで専門の訓練を受けた方がいればわたしが出張る必要はないでしょう。
それでも、日本語母語話者として育った学習者が中国語を学ぶときに、どんなことが難しく感じられるのか。
どんなクセが出やすいのか。
それをどうやったら乗り越えられるのか。
それを自分の言葉で説明できることは大きな強みだと思っています。
またもうひとつ大きなアドバンテージもあると思っています。
それは、日本語ネイティブの学習者が中国語の発音を学ぶとき、この人はきっと上手になれる、目指す発音に変えることができる、と信じていられるということです。
ひと昔前の中国語学習業界では、日本人は、もしくは外国人はどんなにがんばっても上手に中国語を発音することはできない、というあきらめのような気分が漂っていたとも聞きます。
(この ↓ 記事を書いたときにかなり賛同の意見をもらいました)
みなさんもご承知のように、今の学習界隈でそんなことを言う講師はいません。とても上手な学習者も増えましたし、ちゃんと教えたら学習者は伸びる、ということは周知の事実になったと思います。
教えたってどうせだめだよ、という考えではなく、ポイントを押さえて学べば伸びる、その確信を持って教えられるのは、自分が苦労して習得してきたからこそだと、そこを心の支えにして、非ネイティブなのに中国語発音講師をしています。
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そういうわたしが、目の前の受講生さんに向き合った。
多くの人に共通する苦手項目についてどうやって対策をしたらいいか考えた。
そうして続けてきたレッスンの中身を本にした。
それが『中国語の音とリズムを楽しむ りんず式 中国語発音矯正』です。
中国語発音指導士養成講座のゼロ期生さんに頼んで、井田綾がレッスンで何を言っているか、を言語化するところから手伝っていただきました。
ゼロから発音を学ぶ人を対象とするのではなく、「すでにクセがついてしまった発音をどうにかしたい人」のためのメソッドが、そこから立ち昇ってきました。
この本はamazonで買えるペーパーバックです。
書店の実店舗では、古巣のよしみで東京神保町の東方書店さんに置いてもらおうと思っています。
(お願いに行くのはこれから^^;)
中国語でむっちゃ縁起のいい6688にあやかって、2022年8月8日の刊行予定。
amazonペーパーバック『中国語の音とリズムを楽しむ りんず式中国語発音矯正』は2022年8月8日に刊行されました。